人間国宝・杵屋栄二写真集・汽車電車1934-1938 重要無形文化財保持者(長唄・三味線)
買取上限価格 4,000円
定価 | |
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著者 | 杵屋栄二 |
出版社 | プレス・アイゼンバーン |
出版年月 | 昭和52年 |
ISBNコード |
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この商品について
年少の頃は電車や汽車がすきなものですが 年老いてまでその気持ちをつづけている人は 余りありますまい
私は六・七歳のころ汽車を見に母にせびっ て上野の屏風坂(今は陸橋ですが)まで行き、 その踏切のそばに天気のよい日だけ出ている 茶店で、お菓子、おすしなどを喰べながら、 上野駅へ出入りする汽車を二時間ぐらい眺め ていました。
また九歳のころ宅が銀座の日吉町(今の八 丁目)へ引越しました。 川向うがその頃の新 橋駅ですから、かえるとすぐに新橋を渡って 駅へ行き、到着する列車を二・三時間ぐらい 眺めていました。今とちがって一時間にかぞ える程しか到着しない列車をたのしみに待っ ていたものです。この頃は発車五分前になる と駅夫が柄のついたベルを持ち、駅の石段の 上でガランガランと振ったもので、今でもそ の有さまが、ありありと目に残っています。 中学頃になると電車汽車の絵はがきを集め ましたが、地方の分は中々手に入らない、そ れで今度はカメラを買って自分で写すという事になるのですが、 明治の末にわなかなか買えません。