日本刀銘鑑 石井昌国・本間薫山校閲
買取上限価格 10,000円
定価 | 25,000円 |
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著者 | 石井昌国・本間薫山 |
出版社 | 雄山閣 |
出版年月 | 1979年 |
ISBNコード |
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この商品について
私がその校閲を引き受けたのは 「新銘鑑」は斯界のために、 ぜひとも欲しいと願っていたことであり、私としてもそれを つくるべく日ごろ考慮していたところであるからである。 私 は共著のつもりで長年月にわたり丹念に校閲し、 『昭和銘鑑』 として後世にのこりうるよう添削に務めたつもりである。
雄山閣
序・校閲にあたって
(財)日本美術刀剣保存協会会長
石井昌国君は私の後学で、たしか私の門を叩いたのは昭和十年のことであり、世にいう内弟子に当たる。国学院大学で日 本刀研究会をはじめたのも渡辺国雄君と君で、私と佐藤寒山氏 町の刀鍛冶諸君の指導に君を同道したのもついこの間のようにおもえたが、もう四十年近く 「君は戦後しばらく剣界から遠ざかっていたが再起よく地味な学究生活にかえり、逐次よい実績を重ねて古代刀の研究に精進して日本刀の前代を探究し、昭和四十一年にいたり『蕨手刀』を発刊したことは、考古学界にとって、またそれ以上にわ が刀剣学界にとって欣快に堪えない。
– また君は日本刀の年紀に刮目してその大集録を示したが、これもわが刀剣学界にとりきわめて貴重な資料である。そして それを基盤として今度『日本刀銘鑑』を刊行するにあたり、私がその校閲を引き受けたのは、「新銘鑑』は斯界のために、 ぜひとも欲しいと願っていたことであり、私としてもそれをつくるべく日ごろ考慮していたところであるからである。しか しそれは容易な仕事ではなく、身心両面の根気よさが必要であり、君にしてはじめてなしうると信ずる。その原稿をみると ひろく資料を集め、そのなかには多くの新資料があるが、なお旧来のすべての銘鑑を包括していることが私の注文にもかない貴重である。私は共著のつもりでこの『日本刀銘鑑』を校閲し、『昭和銘鑑』として後世にのこりうるよう添削に努めた つもりである。
石井君の刀剣界にささげたこのたびの功績に対してあえて絶賛を惜しまない。しかし校閲者として反省するに、この書は 完成された銘鑑ではなく、銘鑑を作るべき資料をかつてないまでに膨大に蒐集しているものであり、すなわち銘鑑資料大成 の題名が適切であった。この書にみる資料にふるいをかけ、炮(かんな)をかけひきしめ、絞って、はじめて立派な銘鑑が 誕生するのであって、同学者諸君にそれを期待してやまない。