内外文様類集・10冊 芸艸堂主人・山田直三郎
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著者 | 山田直三郎 |
出版社 | 芸艸堂 |
出版年月 | 昭和37年 |
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この商品について
昭和三十七年五月
文様の起源はまことに古いもので人類生活の進展と共に大いに発達してきた。生活文化が向上 するにつれて色々の要求も織り込まれて、意匠考案の面も郷土色豊かなものもあり、その種類も また、多種多様、実に数え切れない程である。然しその考案意匠は文化の程度を反映しているか ら文化普及の状態や文化向上の姿もうかがうことが出来る。現代はその取材も新し味を増し、昔 とは趣をかえたものも見受ける。だから文様はその時代を思わせることもあって、文化史の一部 を物語っているし、その国々の特徴も現われているものが多い。また文様の利用範囲を見ても甚 だ広い。凡ての工藝品に応用されて工藝品に美と潤いを与えている。
文様は今日では工藝品一般に渉って、益々その新しき独特の姿を写し出している。
「文様は文化の精華であり、またよく時代の様相を反映するものである」と云う結論になる。 芸艸堂主人山田直三郎君は在来の文様を国の内外に求め、織物・陶磁器また染色・銅器その他 に渉って古今の逸品を集録して、既刊の「古今文様大鑑」に続いて「内外文様類集」をあらたに 発刊された。いうまでもなく文様は想像力に訴えて抽象的事物を現出するものである。元来日本 人は鋭敏な直観と巧妙な表現技巧とをもっている人種である。従って我国の文様はよく国民性を 示し日本特有のものと呼ばれている。かかる独特の能力及伝統的な技術を活用し、之を基礎とし て新しき時代に順応する文様の創作こそ作家の行くべき道と思う。こんな意味で内外の文様に認 識を深めることは、作家にとっては誠に緊要であるといえるし、本書の出現は文様意匠の製作の 上に好資料であり、裨益するところ多大なるものがあると信ずる。