正伝沖縄剛柔流・空手道技法 宮里栄一監修・甲斐国征
買取上限価格 20,000円
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著者 | 甲斐国征 |
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出版年月 | 1987年 |
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この商品について
先般、 私は甲斐国征先生が既刊された御著書 「空手道剛柔法」 の寄賜を受けまし た。 早速開巻の上熟読玩味致しましたが、これこそ正に武道の極致を示す本である と確信するに到りました。
空手に先手なしと謂うのが空手道の一大訓言と承りましたが、これは正に武士道 そのものであるのではないかと思います。 然も空手道は武器を用いない、 徒手空拳 を以って自らを守るのであります。これは戦後のわが国の国防上の原則にも当ては まるのではないかと考えられます。
勿論、国防上は優秀な近代兵器を必要としますが、わが国が先手をとって進んで 攻撃を加えることなく、来れば打つぞとの姿勢を保つのが日本国防の原則でありま す。 来れば打つと謂う強力なる準備体制が抑止力として働くからであります。
日清、日露の両戦役から、過ぐる第二次世界大戦を通じてわが軍は常に先制攻撃 を旨とし、 相手国の虚を衝く奇襲攻撃を以って戦争を始めたのでした。 米大統領が 日本と独逸を打倒する決意を固め乍らも、日本が真珠湾を攻撃するのをまって、 米 国民が大決起するよう仕向け乍ら戦争の準備をすることによって、心からの国民の 支持をとりつけて、日本は打ちのめされてしまいました。
第二次大戦におけるわが国の大敗北は宣戦のない中国攻撃に始まりましたが、世 界各国からの指弾を受け、 米英を挑発するに到って敗戦への道を歩んだのでありま した。 私はかねてから第二次世界大戦に到る日本の道の発端は、或いは又、日本の 道の誤りは、わが軍部に於いて武士道の精神が次第に欠如してしまったことにある と謂う論を説いてきましたが、 いま甲斐先生の御著書を拝見して改めて、武士道精 神がわが国の人々に鼓吹される必要を痛感致します。
この意味におきまして、さきに刊行された基礎編 「空手道剛柔流」に続き、今回 総集編として 「正伝沖縄剛柔流空手道技法」の高書刊行は正に、その時宜を得てお り、誠に意義深いものであると確信いたします。
真書刊行を心からお祝い申し上げますとともに、 甲斐先生の剛柔流空手道の益々 の発展を切に願うものであります。