渋川流柔術 小佐野淳
買取上限価格 1,000円
定価 | |
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著者 | 小佐野淳 |
出版社 | 愛隆堂 |
出版年月 | 1993 |
ISBNコード |
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この商品について
渋川流柔術師範 谷 田 朝 雄
このたび、私の唯一の門人である山梨県在住の小佐野淳先生が渋川流柔術の解説書を出版された。 私限りで坂町伝統の渋川流は滅びるだろうと、長い間稽古もせずにいたことを思うと、正に快挙とい えよう。
私の父重一は、宮田友吉国嗣と小末繁太郎国時の二人の師範に師事して免許皆伝を受け、大正から 昭和の戦前にかけて近郷の青年に渋川流を教えていた。私も弟たちと共にその技と心を学び、昭和十 二年三月に免許皆伝を受けた。戦後しばらくは戦前に修行した人たちの間で稽古が行われていたが、 近年は全く忘れ去られ、絶伝も時間の問題となっていた。 「そんなある日、一本の電話が入った。「浅山一伝流を研究している者です。 坂町にはその棒術が残っ ているそうですが、現状はどうですか」と聞くので、修行した技のことを話し、伝書を送って見せる と、その年の夏に遠い山梨から訪ねてきた。浅山流の棒術を教えてくれという。それが小佐野先生で ある。
もうだめだと思っていた流儀が後世に残るかもしれない。そう思うと、それからは老骨も顧みず、 度々訪ねて来る小佐野先生に渋川流柔術の全技法を併せて相伝し、昭和六十一年八月付けで免許皆伝 を授けるに至った。
地元で誰も顧みない柔術を遠い山梨県の小佐野先生のご尽力で、後世に伝えることができるのは、 この上もない光栄である。出版に際し心よりお祝いと感謝を申し上げ、序文とする。