貫之集
買取上限価格 10,000円
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著者 | 田中春子 |
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この商品について
本帖は、はじめの部分は一面に八乃至十行書き、 歌は各二行書きとし、終の方になると一面七、八 行、歌を三行書きとするところが多い。料紙の色が濃いところは文字を太く、淡いところは細く書く、料紙の色合いのきわめて濃い部分には文字を書かないこともある。一見したところ自由自在で 悠々として迫らぬ感じであるが、実は細心周到な 用意のもとに筆を運んでいることがわかる。 この帖は、人麿集(原形は失われて、いまは室 町切と呼ばれる断簡二葉|一葉は旧古河家の手鑑『もしは草』に行成筆として、また一葉は陽明文 庫の「大手鑑』に佐理筆として貼られている。)と同筆である。その他に同筆のものを求めると、 元永三年(一一二〇)七月二十四日の日付けのあ るいわゆる元永本古今集、伝佐理筆筋切・通切、怎俊賴筆古今集卷子本、下給拾遺集切、後撰集切がある。筆者については、行成様式を基調とすること、書の技・抜群で、仮名書法の頂点に達した感があるところから、世尊寺家直系の名手になるものとし、これを当代に求めて、藤原行成の曽孫であり、世尊寺家四世の藤原定実の外にはないとする説がひろく行われている。