名物刀剣・宝物の日本刀 Treasured Japanese Swords
買取上限価格 2,000円
定価 | |
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著者 | |
出版社 | 佐野美術館 |
出版年月 | 平成23年 |
ISBNコード | 978-4-915857-4 |
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この商品について
名物刀剣・宝物の日本刀 Treasured Japanese Swords
名物・名刀の銘が語るもの一 渡邉妙子
はじめに
日本の名刀は、古代から種々の由緒によって称えられてきたものが多い。その中でる江戸時代の享保年間(一七一六~三六)に編纂された『享保名 物帳」に掲載された名刀が特別に「名物」と呼ばれている。その名物には、たとえば「厄丁正宗」のように愛称ともいえる「銘」が付けられている。この 銘は、「享保名物帳』編纂の時以前から呼び習わされたものが多く、これには諸々の歴史的意味が含まれている。これを「名物の銘」と呼ぶことにする。 「享保名物帳』の研究は多くの学者が手掛けているが、特筆すべきは、辻本直男氏による『図説刀剣名物帳』(註1)である。またその「名物」の生成 から「享保名物帳』までの成り立うは、佐養豊三氏の「名物刀剣の銘について」(註2)に詳しい”辻田吉堯氏は「名物刀剣に関する考察」として『刀剣美術』(註3)に本阿弥光忠が将軍徳川吉宗に提出したという事実の有無に疑問を投げかけている。 一方、日本刀には古くから鍛冶の名が刀剣の茎にで刻まれている。それる「銘」と呼んでいる。その銘には、刀工自身が刻んだもの、後に持ち主が 刻んだもの、また鑑定した人が刻んだものなどあり、これらの銘は歴史的種々の事象を物語っている。そして、名高い刀工の銘が刻まれた刀剣の多くが、『享保名物帳』に選定されている。