増補・和紙要録
買取上限価格 1,000円
定価 | |
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著者 | 竹田悦堂 |
出版社 | 文海堂 |
出版年月 | 昭和46年 |
ISBNコード |
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この商品について
増補・和紙要録
竹田悦堂氏と言いますと、現代書道院の創設者であり、どうしても書道の大家としてのイメージが強いのですが、本書籍は紙譜も付属する和紙の本です。買取価格は2冊ぞろいの価格になります
昭和四十一年現代書道院創立二十周年記念事業として本書を刊行することにした。随分準 備はしたつもりではあったが、いざ執筆となると「紙の博物館」に二週間位通って見て、その壁の厚さにひしと戸迷いを感じはしたが、期日に余裕のないまま不足の分は後で補えばと 刊行したのであった。発行部数の少いせいもあり、又一面書道的立場に立って書いたものが なかったせいか、意外に反響があり、絶版になったまま四年経過してしまった。今日開いて 見ると不備だらけであるし、も少し補ってと思っている内、又しても再刊までの時間が足り ない。前半はそのままにして、あれから四年、本書に対する補正を行い、知己を得た各地の状況を加え再刊にふみ切った。
歴史を述べたり技術をくわしく説明した本は他に優れた書が数多くあるのであるが私の意 図としては、「紙漉く村」にふれたように各地の現況を述べ、各地の人々が自覚を持って誇る紙を漉いてもらいたいし、使用者の立場にある方々には、この状況をわかって頂き温い愛情 の手をさしのべて、日本の誇る紙が、美しく永く残る様にあってほしいと思うのみである。
文章の不足しているところは、別冊の紙譜の美しさによって補って頂きたいと思う。 この書に対し不備の点は多いにご指教を仰ぎたいと思う。
この書を再び出すに当って資料の提供をお与えくださった紙の博物館の皆さん、愛媛県紙 業式驗場長前松陸郎氏、植村和堂氏紙譜のための紙の見本を提供してくださった各地の漉家さん方から紙箋の資料を提供してくださった田中春子氏、福田喜兵衛氏、積極的に出版に対して限りないご援助くださった 文海堂毛利亀雄氏、その他多くの方々から激励と援助を与えられたことに、感謝の念をささげる。
昭和四十五年十一月文化の日
竹田悦堂