日本武術伝書集・雑載編
買取上限価格 5,000円
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著者 | 日本総合武道研究所 |
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出版年月 | 平成11年 |
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この商品について
日本武術伝書集・雑載編 発行部数が少なく、市場に流通する部数は僅少かもしれません。自顕流目録など本邦初出の流儀なども掲載されています。
起倒流本体
起倒流は「乱」とか「鎧組討」とか称して、「柔術」の 語は使用しない。後には「柔道」の語を使用している。
茨木専斎を流祖とする起倒流は、その時代、技法のみが 先行して、未だその真理 (心理)を得なかったことにより、 新陰流の柳生但馬守とともに東海寺沢庵老師に参禅して、 但馬守は「諸仏不動智」を、専斎は「本体」「性銃」の二 書を与えられた。僅か八行の一文が権威を有し、流儀を代 表する伝授巻としての位置を固持しているのは以上の経緯 による。
気を扱うには欲心を去り、人が生まれつき有している本 体、すなわち明鏡の如き心に立ち戻らなければならぬ。そ れには、体を正しく保ち、私心を去って心を正しく保つ。 それが流儀の修行だと起倒流は説く。
本伝授巻は滝野遊軒の門人高橋要人興勝が安永九年(一 七八〇)に一度中嶋佳蔵に授けたものを、享和元年(一八 〇一)に蔵の子息と目される忠次郎に授けている。忠次 郎への伝授文は、伝授巻の裏に記してあり、筆跡を変えて いる。高橋の花押は譚である興勝の「興」の一字体である が、形態がユニークである。
講道館では「古式の形」の習得者にこの本体の巻を伝授 したらどうだろう。「温故知新」の時代になった。