ポスターの理論と方法
買取上限価格 5,000円
定価 | 280円 |
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著者 | 新井泉男 池辺義敦 |
出版社 | 東京アトリエ社 |
出版年月 | 昭和7年 |
ISBNコード |
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この商品について
ポスターの理論と方法
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ポスターの理論と方法我々はポスターに就いて何を知ってるだらう? 更に藝術としてのポスターとは一體何か?との素朴な質問に さへ我々は確答出來る何物も持ち合せてはない筈だ。
今、我々はこれ等の課題を、ポスターの入門と専門化のために、諸君と共に知り究明するであらう。我々は、全くこの月たらずで生れる共同編輯の意義について過少評價せず、ポスター研究者として次の様に記録したい。
本書出版にあたり一言すれば、現在までポスターに關し出版され發表された諸材料を、我々はこの計画の前に一通り集め分析して見たところ、残念ながら大部分は広告形式としてのポスター論であり、例外を除き、內容を貫くものは商業政策的な見地に終始し、その理論づけは主として廣告學的な立場から逃べられ、作家は商業美術の觀念によって規定される一面的なポスター観のそれであることを痛感した。
本書出版の意義はポスターの正しき發展のために、初學者及専門家の教程的讀物として準備される。明瞭に規定すれば芸術としてのポスターの理論と方法を全般的に、造型美術の範疇から、独自なボスター的様式として理解し、 技術的には工業的生産術の一部門とし取扱ふことである。[フォト・モンダー ジュ及印刷美術として)
時に幸に我々の希望する出版物が機會を與へられ、マーツア及クルチス所論等々が手に入ると共に、全設的な プランの御霊が進められ、アトリエ社の厚意的出版の予約により実行に移されるとなり、我々としては何不十分な點があるにかゝわらず、次の機會に補ぶことを約して、造型工学研究所第一次の出版とし、諸君に贈るものである。
附言すれば、我々の所属する研究所の一般的任務とし使命とするところは、全くわが國に於ては理論的に、技術的に、未だ何等体系付けられていない、工業的生産芸術の問題に對する基礎的・準備的な諸材料の蒐集にかっているが、この種の資料はソヴェート同盟においてすら前途の懸案とされ、僅かに団体「オオクチャブリ」の実戦的な各部門の試みを通し知るのみで、十分な解答を得ることは出來ない。