哺乳類科学等お譲りいただきました。第3号(昭和37年)は北大植物園内博物館で発行されたものです。創刊号と第2号はありませんでしたが、貴重な専門誌になります。編集後記を見ると、創刊当初は、財政的問題もあってか、消滅の危機にさらされていたようです。今後2度と手に入らない気がしますので、目次部分をアーカイブします。他にも鳥類の研究誌がありましたが、後ほど見つかり次第紹介したいと思います。ありがとうございました。
編集後記
◎哺乳類科学も第3号の発刊を見ずに解消、と心配された方も多かったと思ひます。私共北大グループは春蘭生の発刊を目標に努力致しましたが、日頃の不勉強、不慣れがたまり、北海道の桜もとうに散りはや梅雨の候となってやっと発刊の送びとなりました。皆様に深くおわび致します。
◎今回は昨年の申し合せもあり、第2号掲載の論説に対する批判を中心に「種の問題」の研究を如何に進めるべきかを考えて見ることに致しました。
◎次号の発刊は十月を予定しております。
論説、論文紹介、研究トピック等の御投稿をお待ち致しております。
編集部
こちらは鳥類の研究誌・2誌 StrixとUrban Birds いずれも表紙絵は薮内正幸氏になります。これも2度と手に入れられそうもありませんので目次部分をアップいたします。
日本野鳥の会は,野鳥とのふれあいを大切にしつつ,野鳥とその生息環環境の保護を推進することをひとつの大きな目的にしております。民間自然保護団体のひとつとして12000余名の会員の支持のもとに,この目的達成の使命感に燃え,保護活動を続けて50年の歴史を刻もうとしています。地球上に限られている自然環境に及ぼす人間諸活動の圧力は今日保護活動を「保護闘争」とも呼ぶべき状況にまで追い込み,活動の内容も真の勇気を必要とするものとなってきています。世界的規模で急速に進展する社会経済情熱自然保護の将来を楽観することは決してゆるされません.
バード・ウォッチングを人間の精神的情緒的な糧として楽しむ一方、本込み 会に対して説得力のある活動を進めそれを実効的に永続的に展開するために、保護 たずさわる者自身が理論づくりをする必要が今程要求される時はありません.社A保護を主張し、また社会から発言を求められる時,そこに責任を持たねばならない 当然であります.これらの要求に対応するには、ひとつには科学的な調査研究が基本とか ることは申すまでもありません。
本会研究部では,研究委員会のもとに調査研究の体制づくりを着実に進めています、 査員養成の研修会は先般韓国,台湾からも参加者を得て開催され,調査体制も各国との比 同調査をめざして国際化へと新たな局面を迎えています.
こうした体制づくりのひとつの課題となっていたのが,フィールド・ワークの結晶であ り理論づくりの貴重な資料となる調査研究の成果発表と,集められた豊富な鳥の情報をで きるだけ会員に提供する場をつくることでした.今回, Strix 創刊によってこれができま したことは、本会の調査研究活動が一歩大きく前進する基礎を築いたといってよいでしょう.
表紙を薮内正幸氏の麗筆によるフクロウで飾ることは、大きな喜びであります。 神アテナの使いとして知られるフクロウは,「森の賢人」のイメージをもあわせ持って り、本会の調査研究活動の発表誌にふさわしいシンボルと考えます。
Strix の内容を充実させていくには,会員の,支部の,そしてブロックのお力添えが見 非とも必要です.また,鳥界の先輩諸氏の御指導を頂けますなら誠に幸いです.長い日々。 見て、会員の力を結集して鳥学の発展に寄与することが, Strix に課される大切な役n目であることも明記致さねばなりませんこれから調査研究を始めようとする方、すでに らかの興味や関心があって野鳥の記録をフィールド・ノートに記入している方,調査研を を実践されている方々のStrix への御支援をよろしくお願い致す次第です.
環境庁・特定鳥類等調査・1973-1976/環境庁・特殊鳥類調査・1977-1980・1981-1989 こちらも日本野鳥の会が実施した調査報告書です。目次部分をアーカイブします。
本調査は環境庁の委嘱により財団法人日本野鳥の会が実施したものである。本年はその5年目にあたりサギ類5種ガン類6種シギチドリ類66種についてその分布生息状況保護上の問題点を調査し、本報告書を作成した。
サギ類ガン類シギチドリ類は友に生息個体数の上では絶滅に瀕しているとは言い難いが、近年の急速な地域開発により直接間接にその生息が脅かされていることは否めない事実である。
本調査では26箇所の現地調査の他本会会員へのアンケート調査今回が毎年独自に行っている干潟に生息する鳥類の全国一斉調査の結果等を引用し我が国におけるサギ類ガン類シギチドリ類の現状を広く把握した。
今後の保護対策推進の上でいくばくかの力になると期待するものである本調査の実施にあたり各県鳥獣保護担当の方々今回の各支部及び本会会員にはひとかたならぬご遠慮いただいた厚く御礼申し上げる。
昭和52年3月
財団法人日本野鳥の会会長中西悟堂