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武州下原刀図譜他刀剣書買取【埼玉県岩槻市より】

武州下原刀図譜 日本美術刀剣保存協会・駒澤勝栄

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担当スタッフより

武州下原刀図譜 日本美術刀剣保存協会・駒澤勝栄

「武州下原刀図譜』の刊行に当たりご挨拶申し上げます。
下原刀は、古刀期から新々刀期まで連綿と続いた東京都唯一の刀工群です。戦国時代は関東管領上杉家の重臣大石氏、引き続き北条氏 の庇護を受け、徳川家康入国後は、徳川家の御用を務め、武用刀と高く評価されてまいりました。しかし、美術刀剣としての評価は、高田、 同団員と並ぶ業物としての評価中心で、江戸時代から現在に至るまで充分とはいえず、作風、細かい銘ぶり等の研究は戦後になってから でこざいます。

三十年ほど前、当時の支部長故志村理作氏の『下原刀の押形集を三多摩支部で作成し、全国の愛刀家に下原刀の良さを知って頂きたい」 との発案で、図書委員会を発足させ、下原刀の情報収集、押形収集に努めて参りました。

この度、「武州下原刀図譜」を発行するに当たり、この間ご協力頂いた下原刀工の子孫の方々、東京都、八王子市等官公署、関係神社寺院等の皆様へ深甚なる感謝を申し上げます。また、個々のお名前は省略させて頂きますが、押形作成に当たり貴重なお刀を 頂きました皆様に心より謝意を申し上げます。さらに、この図譜作成に当たっては、協会本部から助成金を頂き、かつ協会現事務局長の 後藤安孝先生には三多摩支部長として十年の長きにわたり、また膨大な研究資料と多くの蔵刀押形を使用させて頂ました。図譜を発刊で きたのも、下原刀研究家としての後藤先生のきめ細かいご指導があったればこそと支部一同感謝の意を表してお礼申し上げます。また、 歴代の支部長故志村理作氏、故菱山与一郎氏始め編集委員各位、会員各位のご尽力、ご協力の賜物とここにご紹介申し上げます。 編集に当たっては、昭和四十四年に村上孝介先生が編集された東京都教育委員会の『東京都文化財調査報告書2刀工下原鍛冶』を底本 とし、参考図書をはじめそれ以外の書籍、展示会、鑑定会、鑑賞会、講演会等有形無形の恩恵の賜物と重ねて御礼申し上げます。

日刀保三多摩支部では、今後とも下原刀の資料収集、研究に努めてまいりたいと存じます。皆様のご意見、ご叱正を乞うところでござ います
平成二十三年八月吉日


宗珉とその一門 池田末松
宗珉正真作を実見と諸資料の両面より指摘し宗珉正真作品を現在私が知り得る全ての作品としてここに提示

序文
私が、横谷宗珉の作品に興味を覚えたのは、もう三十年以前になります。
土屋安親同様、宮崎富次郎先生の処で、宗珉作枝牡丹・三国志・寿老・咬合虎などの作品を拝見させて頂いたのが、ひとつの大きなきっかけになったのです。

また五世網屋・小倉惣右衛門先生の処では、門外不出の仁王二所、小柄で片切彫の阿倍仲麻呂を拝見、さらに、六世網屋・野田喜代重先生には、元夏雄所持の獅子目貫を拝見させて頂きました。

右の作品を三人の先生方から見せて頂いたことが、私が宗珉の 作品に興味を持つ引金になっ たのであります。
昔から、宗珉の真作など、手に取って見ることは、たいへんまれなことであったのですが、 前述のように、その時代、宗珉の作品を手にしながらご指導を賜わり、今も、お三人の先生方には、心より感謝いたしております。

その後私は、数多くの「宗珉作品」に接する機会を得ましたが、中には疑問の生ずるものも少なからず、そしてそれは最初漠然たるものでしたが、数年前に思い立って、種々の宗珉作とされている作品を、実物により、また資料的にも再検討いたしました。

その結果、宗珉作とされているものに、門人作、また明らかに偽作と思われるものも、私見なりにはっきりさせ得たと確信するに至ったのであります。

そこで、思い切って、宗珉正真作を、実見と、諸資料の両面より指摘し、宗珉正真作品を、現在私が知り得るすべての作品としてここに提示し、『宗珉とその一門』と題して世に問うことと致したのであります。

出版を思い立ってから今日まで、多くの諸先輩のご指導を賜わりました。深く御礼申し上げます。

また私の門人の一人である高橋歳夫君には、資料の収集等で随分骨を折ってもらいました。

門人だからいうのではありませんが、同君は若手の刀剣商として、物を見る上での勘と研究熱心さには、すこぶる秀れたものを持ち、彼の質問には、私もたびたび再研究、再検討を迫られたのであります。


図鑑・日本の軍装 笹間良彦

伝統を顧みるにふさわしい名著

赤 城 宗徳 元防衛庁長官・農林大臣・衆議院議員 (財) 日 本 武 道 館副 館長 (社) 日本甲冑武具研究保存会々長

戦後二十五年の歴史は、日本を急速に新しい形に変えた。 しかし新生日本の確立を計るあまり、また反動的に多くのよき文 化遺産を埋没させてしまった。そのひずみに気がつきその歴史の亀 裂を埋めようとする機運が、近頃ようやく高まってきたとき、われ ら甲冑界の権威の一人笹間氏が、その蘊蓄を傾けて、『図鑑日本の 軍装」上・下巻を刊行することになったことは、まことに喜ばしい。 手にとってみれば、その内容の豊富なること、精確なること、まと とに伝統の重みを感じないわけにはいかない。

おびただしい図版の一つ一つに著者の細かい配慮がみれ、おそら く本書を手にする者は、古代から現代までの歴史の変化を、その軍 装の変化の中に辿ることができるであろう。まことに整然とした名 著である。

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