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埼玉県蓮田市より江戸凧絵史・斎藤忠夫等美術書買取事例
今回もその中からいくつか気になったものを紹介させていただきます。
江戸の凧絵について
凧は子供の遊び用具である。ゆえに、浮世絵が美術絵画として尊重されるのに比べれば、凧絵はガラクタ 絵であるのかも知れない。
むかしは一文凧といわれて、それこそ巷の童子が買える値段であり、あげては破れ、破れてはまた買い求 める。凧屋も年末・正月には、手描きや版摺りでせっせと製造する。
土俗的な粗野な筆のはこび、ケバケバしい原色だけの彩色、安い和紙のザラザラした質感。それはまるで 遠いむかしの、江戸っ子の肌にじかに触れたような親近感と、井戸端人情にめぐり合ったような人間味、そ れには庶民の生活のなかからにじみ出た、もっとも生き生きとした活力があるのではないかと思う。かつて 岡本太郎画伯がいっていた。
「自分は絵が下手であるということに気づかないで、堂々と描いていることの素晴しさよ。そこに不思議な 魅力が絵ににじんでくるのである。」と―
肌はところのふるさとである。しかし今日このごろ、凧絵が大人たちに美術鑑賞品のように扱われ、額縁 に入れられ、掛軸に表具されて客間の装飾品になったり、また、凧マニアが錦絵の絢爛たる大型凧絵を望み 風製作者もそれに応じる。風が凧でなく、別な存在価値に昇華してしまったようだ。 しかし、それだけが凧絵ではない。メンコ絵やオモチャ絵を思い出す土くさい凧絵本来の伝統が忘れられ ゆがめられてはいけないと思う。風は子供たちのための服なのであるからー。
江戸風絵は日本の代表凧絵であり、日本各地の郷土凧の元絵でもある。むかしは数も種類もたくさんあっ たが、いまそれを集めるのはむずかしい。なぜなら、風はスポーツ用具であり、消耗品であるからだ。破れ捨てられ、たかが子供の慰さみちのであれば、誰もかえりみない。
江戸時代の歴史を経た凧絵が大事に保存されていて、そのまま昭和の現代にひょっこり現われるようなこ とは、まずないであろう。郷土玩具収集家の間でも、凧だけは破損しやすく、虫食い色腿せでボロボロにな りやすく、コレクションには適しない、といっている。
そこをなんとか、より以上に江戸凧に近い幕末期・明治期の古い凧を捜してみようと思いたったのは十二 年前。そのために、むかしの東京市内にあったという元凧屋・元凧師やその遺族・番頭だった人々の消息を たずねまわった。
すでに跡かたもなく消滅したものを、近代社会のなかで捜し出すのは至難のわざ。東京という名の大海か ら、針を一本一本さがすのに似ている。やっとのことで捜し得たとしても、大震災や戦争罹災で資料は焼失 してしまっているのではなかろうか。いまからでは遅かったのである。
しかし、この数年間は各方面の援助者・協力者のお蔭で、むかし都内にあった凧屋の名前や場所も三十八 軒浮びあがり、元凧屋の老人やご遺族の方々にも少しずつでも逢えてきたことは喜びである。そして、貴重 な資料や聞き書調書、凧絵も集ってきた。また、郷土資料館や旧い農家の土蔵からも、江戸から地方に分散 していった江戸凧のありかが判明した。どうしても現物がない場合でも、形や絵の優れたものは、老凧師の 記憶により、また古文献絵図により、正しい復元も試みた。
なんとか、いまのうちに一つの記録として残しておくべきだと考えて、私のコレクションの血も数多く並 べて、一応は江戸末期・明治・大正・昭和と、江戸凧の伝統を歴史的に整えることができた。
このたびグラフィック社からの話もあり、編者としてはまだ不満なところもあるが、私のライフワークと した仕事にも一つの区切りを印して、同社の協力により刊行することにした。
たとえ土くさい凧絵集とはいえ、そこには民俗的な美と神秘的な伝統の重みがある。手描きの良さがある。 版摺りには版摺りの味がある。
陽の当らない狭い仕事場の片隅で、童子らの喜びの顔を思いうかべながら、凧紙に慈愛の眼をそそぎつつ 描きつづけていた江戸凧絵師たち……。その無名の職人たちに、明るい陽の光を与えてあげたい、と思う。斎藤忠太
原稿執筆のため、さかんに江戸史を調べているころのことであっ た。ふと隣室から聞えてきたテレビのコメント 「創業元禄三年、お江戸日本橋、浮世絵師国芳が描く江戸の香りを そのまま伝える―」
(おや?)と思った。日本橋にある老舗の商品コマーシャルだ。こ のコメントでは、どう聞いても、元禄三年に国芳が老舗風景の浮世 絵を描いたことになってしまう。歌川国芳が誕生したのは寛政九年 (一七九七)だから、創業元禄三年(一六九○)とでは一〇七年の ひらきがある。
CMのコピーライターが、元禄三年に国芳が描いたと思っていたのなら不勉強、元禄と国芳とは別個の文章だというなら文体のまず さ。もし、なにも知らない視聴者がいたとしたら、間違った知識を 与えることになる。文章とはこわいもの、歴史とは正しく伝えたい ものである。
カラーの写真美術書の本文ページというと、テーマの総括的なア ウトラインと、カラーページ個々の図版の詳細な解説文で終ってい る場合がある。しかし、私は十年来ライフワークとして調べつづけ てきた江戸の凧の歴史を、年代的に整理して残してみたかった。本 文ページだけでも一冊の本になるようなページ数を、そのために与 えて下さったグラフィック社にまず感謝をしたい。その厚志にこた えるため、江戸凧史については、もう書くこともないくらい、資料 を出しきって書きおろしたつもりである。
現在までのところ、江戸凧としてまとまった研究文献書は一つもない。古文書、江戸史書随筆、玩具研究書、たくさんの資料のなか から、たとえ一行でも二行でもある凧の文献を別出する。それを集 めて比較分類して、正しいと思うものを史実、俗説、考察、推測、 聞書の順になるべく区別できるものは整理して、少しでも正しい風 史としての形を残すようにつとめたつもりである。ゆえに、状兄証拠だけで断定はしたくない。もし自己想像の場合には、識者・読者 に名判断を待つ形式をとったつもりである。
歴史というものは、元来、史実がなければどうにでも判断できる ものである。しかし、文献資料として現われたもの、それが必ずし も正しいとはいえない(まる呑みに信じてはいけないと、ある歴史 家や作家もいっている)。しかし、それを真実の物的証拠にして、 その時点での解決をしていくはかはない。「風」の場合、文献とし て著述した本はいままでに一冊もないのであるから――。 江戸風史というと、江戸時代の政治、社会、市井の流れが、その時代、時代に反映してくる。しかし私は、歴史学者ではないので、 日本史とくに江戸の歴史研究書誌を読み、その一文を参考として使 用させていただいた。巻末に参考文献を列記して、引用書の著者の 諸先生方に厚く御礼を申しあげる次第である。
本書に述べたことについて、あるいはみな様からご指摘される個所も多々あるかと思う。その節は、どうかど示教をたまわりたい。
これからまだつづく私のライフワークの資料文のなかに大事に保 存し、またの機会に稿を改めたいと考えている。いずれにしても、 これまで江戸凧史が他になかっただけに、今後、この本を,たたき 台』にして、研究者が多く現われ、より以上に充実した江戸凧史が 編まれることを希んでいる。
この本のすべての原稿を書き終えた夜、私は快い眠りについたが、 明け方に夢を見た。それは大凧に乗っている夢であった。見おろせ ば、高層ビルも高速道路もない、安藤広重が描くところの浅葱と酵 金と焦茶と青藍に彩る江戸の街のようであった。八百屋お七が恋焦 がれて登った人の見櫓もあれば、「文七元結」に出てくる木橋~柳 も見える。大通りは人と荷車の往来が激しく、遠く西空に茄子紺色 の富士山までがくっきりと見えた。私は両腕両脚を照の四隅に突っ 張り、まるで私自身が奴凧になったような形で、悠々と飛んでいた
一方こちらは袱紗・著書は竹村昭彦氏であいにく非売品ですので、以前より見かける回数が減りました。
伝統染織を今に伝える京都の地において、弊社は袱紗・風呂敷を主要な営業品目として取 お知って以来90余年、皆々様の暖かいご支援を賜りまして、1991年には創業90周年の記念 すべき年を迎えることになりました。
この間、二代社長宮井博之助は温故知新の理にならい、染織技術ならびに商品開発の参考資料として約50年間にわたり、江戸中期から明治時代を主とする袱紗・風呂敷その他染 料を蒐集し、その数も400余点を数えることになりました。
1991年には宮井博之助袱紗コレクションのうちから90点が選びだされ、下関市立美術館、 京都府京都文化博物館、東京都庭園美術館の三館において「贈答の美・袱紗展」として公開され、袱紗への一般理解が深まる機会に恵まれましたことは、私共初め業界にとりましても有意義なことであり喜ばしいことであります。
袱紗・風呂敷は昭和30年代迄は、家庭用品として広く使われ、あまりにも身近かな生活布 であったため、学術的に研究されることもなく、関係資料も乏しいため三代社長宮井泰三 は、創業70周年記念出版として「袱紗・風呂敷」(角山幸洋著)を刊行し、関係各位の参考に 供しました。その後袱紗に関する調査研究は、弊社竹村昭彦取締役の献身的な努力により、 多くの海外美術館にもおよび、今般、日本人の贈りものと袱紗の関係を模様の解説を中心 にとりまとめ、海外で御所蔵の袱紗リストも集成した上で、岩崎美術社から和文・英文の二 冊を同時出版するはこびになりました。皆々様のご批判・ご叱声を賜われば幸甚に存ずる 次第であります。社外多数各位のご協力ご厚情に対し心からなる感謝の意を表し、ごあい さつにかえさせて戴きます。
当社としてはこのタイプの美術書の扱いは珍少ないのですが、フランス語版でまた手に入れにくいものですので紹介させていただきます。同タイトルで英語版もありますので、そちらの方が買取金額は多少お高めになります。Louis Vuitton La Naissance Du Luxe Moderne
歴代の商品を紹介したものというよりはブランドが勃興した歴史をつづる社史的な本になります。
美術書・アート書買取事例
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※量や内容によりまして、お伺いできない場合もございます。