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日本刀備前伝大鑑

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埼玉県桶川市より日本刀備前伝大鑑等宅配買取事例

日本刀備前伝大鑑
備前伝の存在は絶対的であり刀剣の研究はまず備前刀を基準としこれを土台とし主軸として他の国に及ぶのが常道と言えるであろう

自序

古来鉄文化の最高峰である備前刀の主要産地が備前を中心とする備中青江を含めてのものであり、殊に日本刀の 第一刀である大包平を始め国宝、重文の大半がこの地で生産されておることは周知の通りであって備前伝の存在は 絶対的であり刀剣の研究はまず備前刀を基準とし、これを土台とし主軸として他の国に及ぶのが常道と言えるであろう。

私は備前に生まれ家伝の僅かな刀の研究から始めてもう六十年になる。青年時代は佐賀、福岡両県に奉職したが、幸い官房勤務であったので毎月上京する機会に恵まれた。当時は九段の遊就館に全国の国宝と重美四百振余が展観されていたが、館長渡辺陸軍少将、主事中村大佐が岡山県出身という由縁もあって傍にも日曜祭日には一振ずつ 入念に小松健太郎氏の解説指導を受けることが出来た。思えばこれが私には大きな収穫であった。

大正十五年内務省から岡山の初代健康保険署長に転補、暫らく郷里に落ちつくようになったころ、岡山には中央 刀剣会支部があり、尾坂義博君が主宰し、剣友小林種次君は東京から杉本薫秋氏を呼んで薫秋会を開き、磨上げ一 文字や長光二字銘太刀を烏城に展示するなど活躍しており、また田中栄三郎君深瀬隆彦君あたりが競っていた、い わば岡山の刀剣研究の草分け時代とも言える時期であった。当時は戦前のことでもあり、地方では刀剣を鑑賞する 機会には恵まれず研究には相当苦労したものであった。
昭和十年私は退官すると同時に東京の松永安左ェ門翁が社長たる東邦電力株式会社に入り、井手徳一先輩らのお世話で一層都合よく遊就館に通ったり、中央刀剣会例会に出て勉強することが出来た。

私の刀剣生活は終戦で公職追放となったあと、特に刀剣を生き甲斐に、ひたむきに日本刀の美を追及して、一振りでも多く保存の方向へと余生を注いで来た。従って、私の刀の勉強は真偽を見究めることに主眼を置いたので、永い間機会さえあれば押形をとるのが癖になり、今日まで集めたものは三千刀にもなった。これを備前伝にしぼって出版を思い立ち、一応自分なりに纏めてみたものの世にいう桑名打や備前刀にも見られる似て非なる、いわゆる「土手祐」銘の偽作をも一部挿入のつもりであったが今回は削除した。

また、これまで文化財講座、放送、新聞、研究誌等に用いた資料も加えたかったが余りに浩潔にな るので、これらは別の機会に整理してみたい。掲載した多くの押形と写真は各地に散在する公館、社寺、愛刀家が大切に保存しているものを経眼の都度お願いしてとらせていただいたり、後で送って貰ったりしたもので、紙や道具の不揃い不手際などから出来映は思うに任せず後世に恥をのこすのを恐れる。しかし、私の歩んだ足どりが初学の方には何程かの参考ともなれば 幸いである。

およそ刀を愛するものは誰でもまず高作有名ものに憧れるのが常であるが、それがしらずしらず無理になったり、或は邪道に踏み込んだりしがちなので、研究は飽くまで真面目な作品に着目して保存愛護の姿勢でありたい。世に埋れがちの備前新 刀、新々刀は古刀には及ばぬとはいいながら一千年の伝統のもつ力は、さすがだと思わせるもののあることを強調したい。

おわりに本書刊行にあたり本間、佐藤両博士を始め、尾崎元春、辻本直男、森栄一、本阿弥宗景、諸兄や故人の本阿弥光遜、川口吻、山岡重厚、三矢宮松、石渡信太郎、小泉久男それに内田疎天諸士の所説の一部を引用させていただいたことについて寛大なる御許容を賜わりたい、また岡野多郎松兄ほか多くの剣友諸君の御援助と、私の刀剣生活多年に亘り寄せられた岡山県序文化財生え抜きの神野力岡山総合文化センター館長の御厚志等に対し衷心より感謝する次第である。


著者調崎氏は、刀剣の研究にはまたとない地の利に恵まれ、且つ本来の刀好きで、今日では斯界の長老の一人て ることは、この地の利を生かすに最適の人でもある。

なお鎌倉末期にはここから近接の地であり、かの和気清磨の生誕の地でもある和気庄には嘉暦の年紀を見る助而 及びその統の刀匠も存在した。

とに角、吉井川は備前刀には忘れることの出来ない河川であり、その上流の地方からは極めて優秀な砂鉄が多く 産出されたし、古の山陽道は和気庄や岩戸庄を通って西下して行ったことも、一段と名工の輩出に拍車をかけた とてもあろう。

備前刀工はこの河川を廻ってそれぞれの地に住み、多くの名刀が生まれ出たのである。そして備前刀は南北朝時 代には長船兼光、また長義を始めとして、いわゆる相伝備前と呼ばれる名工輩出の一時代を迎える。

これは相州正宗の十哲と呼ばれる兼光や長義を始め兼光一門の人々、相州貞宗の門と称せられている長船元重、 その他義景一門、大宮一門の刀工達を指しているが、これ等の人々は時代の影響を受けて、従来の匂本位の作風か ら、豪壮な太刀姿で沸出来の作風に転じており、これを称して相州伝の作風と見なしての形容である。応永備前は室町幕府の開設とともに、鎌倉時代への復古をめざして作られた作風であるが、盛光・康光等はそのである。

吉井川は常にかかる刀工達に利益ばかりのみ齎らさなかった。それは度々にわたる氾濫であり洪水であった。そして人正の大洪水には長船村は全滅の災を受けるに至った。

新刀期は岡山城下を中心とし、長船村の再興によって僅かにその命脈を保ったに過ぎない。

こうした論説は一般刀剣人の知るところであるが、岡崎氏はそれ等の故地を自から実査し、なお文献とも比照しつつ、執念ともいうべき熱意と努力を重ね、数十年にわたる成果を物にした一冊は、膨大な資料であり、 資料を踏まえての研究はまことに立派なものといわねばならぬ。 従って従来われわれの未知であったのも開明され、不充分であった推論のなぞ解きも出来るであろうこと して疑わない。

ここに岡崎氏の労苦に対して深甚なる敬意を表するとともに、この著の発刊を祝福し、同時に出来るだけ多 人々が、その御神を受けられることを御すすめする次第である。

文学博士佐藤寒山


備前刀の研究を称える

今般、本部参与、岡崎 譲氏が、永年の研究の集成である「日本刀備前伝大観」を出版されて、一般世に問うと

備前国は申すまでもなく、日本刀のメッカであり、平安朝以来、古備前派の刀工が栄え、また鎌倉時代になると福岡一文字派の名工が輩出し、則宗・助宗等は後鳥羽院の番鍛冶として全国に名を馳せており、その中期には福岡・吉岡・片山の一文字派の刀工が万朶の桜となって最盛期を迎え、別に備前長船の地には光忠があり、二代長光、三 代景光は長船鍛冶の名声を高からしめ、同時に長船刀をして盤石の重きにおくに至った。

畠田の守家は、長船の地と全く隣り合わせの地に活躍して守家を始めとして真守、光近等の輩出を見、直宗系に は備前一郎国宗が殊に名高い。

鎌倉に覇府を開いた源頼朝は既に没して、世は北条執権家の世となって、山城からは国綱を、備前からは福岡一 文字派から助真及びその一統である助綱等を、また前述の備前三郎国宗を鎌倉に召下だして、鎌倉鍛冶の基礎を造

らしめているが、助真・助綱等は鎌倉一文字と通称されている通り、終始鎌倉にありながら、祖国の備前伝を固守した。そしてそれ等の子孫に相州伝の大成者正宗がいる。

正中一文字派と呼ばれている吉氏・吉家等は、文字通り正中の頃から南北朝にかけて活躍しているが、その居 住地は岩戸庄であった。そして岩戸庄は、岡崎氏が嘗つて村長として政治に専念していたところであり、氏の出生 地も、また現在のお住居も全くその隣接地である。


発刊にあたって、 

岡山県が古くから造剣の地として有名であることは、かねて承知していたが、全国の国宝や重要文化財に指定さ れている刀剣の七割に及ぶ数が、備前あるいは備中の刀工によって作られたという事実を聞いて、さらに驚いた。 一体そのよってきたるものは何であろうか。もっとも大きな要因は、刀剣をつくるに要する良質の砂鉄が産出した からに違いないと思われるが、もっと他にありはしないだろうか。私は素人であるから、その辺を理解する知識を残念ながら持ち合わせてはいない。しかし、刀剣が古来単なる人斬り危丁だけを目的として製作されたのではなく、 わが身を守り、わが身を飾り、さらに進んで、己が魂とまで考えられた日本刀は、これを製作するにあたっては、 恐らく人の心を満たすに足る自然の風土を無視することはできなかったであろうと思われる。

これも専門家からの 受け売りであるが、造剣地の代名詞にもなっている備前長船の里に立って、北に連らなる熊山連山を眺めると、そ の山波のやさしくもはなやかな姿が実に印象的で、これが刀工に影響して、あの備前刀特有の美しい刃文が生れたという。 さて、岡崎譲氏は、この美しい山波をうつ熊山の北佐伯町の人で、故郷を離れて永い役人生活をされ、その後も 郷里に帰って、あるいは村長あるいは教育委員長・教育長などの公職を歴任され、現在岡山県文化財専門委員、人 権擁護の備前協議会長・岡山県連副会長其他公職多くを八十才に近いお年でなお社会のため御活躍をされているが、 岡崎氏の真価は、むしろ、日本刀とりわけ備前刀の限りなき愛着者の一人であることであろう。すなわち、岡崎氏 は前述した造剣の故郷に近く生れ育ち、その過程に、耳に聞き目にふれた刀剣の美しさにみせられた。したがって、永い公職その他のお仕事のかたわら、刀剣の調査・鑑定・保存・顕彰あるいは刀剣美術の認識普及への活動等、その 業績は大変なもので、現在では、岡山県の岡崎氏ではなく、日本の刀剣界にも重きをなす一人として有名である。 したがって、ここに著作「日本刀備前伝大観」が生れるのも、岡崎氏にしてはじめて達することのできる大偉業で あろうと思われる。それだけに私たちは、この著作を文字通り日本刀備前伝の決定版として、水い調査研究の労苦 に敬意をはらい、その成果をまとめて世に出されるのを心から喜ばずにはいられない。

るお岡崎氏の実弟が、岡山金川の日蓮示不受不施派管長祖山妙覚寺住職釈日学氏であり、岡崎家が同派が切支丹 と同じように地仏として江戸時代を通して徹底的に弾圧を受けた間)、強くその信仰を保ってきた家柄である。岡崎式の分類の研究に心無をそそいでいられる熱烈な姿は、どうだこの信仰と無縁ではないように思われる。

岡山県知事長


 

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