本論文-日本のナショナリズム-そのものは全著作集にも収録されており、正直お値段は付けられないのですが、月報付き・帯付きのオリジナル版は比較的珍しいので紹介させていただきます。
「現代日本思想体系4・ナショナリズム」は吉本隆明全著作集・勁草書房に収録されています。ただし解説中の図版はなく、おそらくですが、巻末の著者略歴・著作・参考文献も全著作集には収録されていないものと思われます。また収録作品の冒頭には吉本氏のものと思われる数行の解説が付されています。これも全著作集には収録されておりません。
本オリジナル版と若干の違いはあるようです。収録されている明治期の作品は現代人にとってはとても読みにくい感じですね。
ナショナリズム 編集・解説 吉本隆明
いわば強制のかたちで進行した近代化に対して、民族の血肉と伝統 のなかに思想的自立の道をさぐろうとする強固な精神の流れがここ にある。新しい視点から明治以来のナショナリズムの一系譜をたどり、大胆な仮説を打ち出す注目すべき解説を付す。
心情
「韓山紀行」山路愛山 1904年
「日蓮上人とはいかなる人ぞ」高山樗牛 1902年
「神風連」石光真清
「弔鐘」石光真清
論理と展開
「日本の歴史における人権発達の痕迹」山路愛山 1897年
山路愛山、名は弥吉。徳富蘇峰の民友社系の論客である。私は愛山について論ずる資格を持たないが、 愛山文集中の蘇峰の記するところによれば「もし君にしてその勢力を一個もしくは数個の題目に集注し、之をもって畢生の事業と做さんか乎。其の成績の分量は半なるも其の品質は之に倍するものありしならん。乃ち頼襄以後の第一人たる史家として、千載不朽の名を、天地の間に止めたらんも未だ知る可からざりし也。」すなわち主題を狭めて深く追求していたら頼山陽以後の史論家として第一人者だったろうと述べている。吉本隆明 日本近代詩の源流 透谷愛山論争より
「将来の日本」徳富蘇峰 1886年
「近時政論考」陸羯南 1891年
「国家改造計画綱領」中野正剛 1933年
「大義」杉本五郎 1938年
「近代の超克」竹内好 1959年