宅配買取事例 仙台藩家臣録・足利尊氏文書の研究・小松茂美 足利尊氏文書の総合的研究 上島有

仙台藩家臣録・足利尊氏文書の研究・小松茂美 足利尊氏文書の総合的研究 上島有など歴史書・仏教書を送っていただきました。ありがとうございました。

伊達家の全家臣二千人余の知行・功績・系譜についての唯一の記録を初公刊!

 本書は延宝四年から七年にかけての、 十石以上の仙台藩全家臣 の知行拝領の由緒書で、 仙台藩士に関する唯一の資料である。 内 容は千九百三十二人の家臣が、 それぞれ伊達家の家臣となった経 緯、 知行拝領のいわれ、 先祖の功績を始めとする系譜のことなど を記して藩庁に提出したものである。 また知行の変遷にともない、 当時の制度、習慣、藩内に於ける行事なども記され、藩政史研究 に欠かすことの出来ない最も基本的史料である。

まえがき

足利尊氏といえば、第二次大戦の戦前から戦中にかけて教育を受けた我々の世代にとっては、強烈な印象の人物である。 「逆賊 の代表としてあげられたのは、まず尊氏であった。尊氏といえば、「逆賊」だけしか頭になかったといってよい。戦後、学問の白 由が保障されたとはいえ、かつての影響は大きく、現在にも強くその影を落としている。尊氏の人物論はもちろん、南北朝・室町 時代の政治史をはじめ広く歴史研究の分野においても、他の多くの歴史上の人物、また日本歴史の他の時代の研究に比べると、 きく立ち後れていることは周知の事実である。

私は古文書学を専攻する立場から、広くわが国の古文書全体に関心をもっているが、そのうちでもとくに南北朝・室町時代に 力を感じている。 古代からの引きつぎの文書とその変容、その後新たに成立した文書など、それぞれの様式、また多くの形式の 書が整然たる体系をもって出揃い、さらにそれに相応した料紙・封式その他の文書のかたちが整えられる。このような南北朝・ 町時代の文書を取りあげる場合、まず触れなければならないのは足利尊氏の文書である。

このようなことから、足利尊氏の文書、それを中心とした直義・義詮・直冬・基氏などの足利一族の文書、さらには室町幕府 係の文書類についてははやくから収集につとめてきた。これらを史料としてみた場合には、多くの刊本類あるいは影写本でいち 目的は達せられる。しかし、刊本類については精粗まちまちである。たとえば文書名一つをとってみても千差万別である。 史料として利用する場合には、記載内容が主であるから、いちおうはそれで事足りる。しかし、文書を文書としてみる場合、 すなわちものとして取りあげようとすると、まず正文・案文・写しなどの区別くらいは確実にしなければならない。どうしても 本について自らの目で確かめざるをえない。 最低、紙質くらいは推測できる精巧な写真は不可欠である。尊氏文書というと全国 地に散らばって存在する。このような作業は私一人の力ではとうていできるものではない。

本書は、足利尊氏文書の「総合的研究」と銘打った。しかし、当然のことながら尊氏文書全体を考えたものではない。