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出張買取事例 日蓮聖人真蹟集成10冊 東京都足立区のお客様より

日蓮聖人真蹟

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少し前の事例になりますが、出張買取事例 日蓮聖人真蹟集成 東京都足立区のお客様よりご依頼いただきました。お寺から譲り受けたもののようです。本尊集を含めて10冊揃いは貴重です。ありがとうございました。

日蓮聖人真蹟

『日蓮聖人真蹟集成』〈全10巻〉完結迫る!

『日蓮聖人真蹟集成』 全10巻は、好評をもって迎えられ、あと第 十巻 「御本尊集」の刊行を残すのみになりました。 「御本尊集」に つきましては、その性格上、特に配慮して、特別装幀をもって刊行 すべく鋭意製作中でございます。

日蓮聖人真蹟影印刊行の概観

兜木正亨

ここにいう真蹟とは、遺文・曼陀羅本尊・要文抄録・書写本、五時教判や年 表のような表示を内容とした図録とよばれているもの、さらに上記の断簡をふ くめて日蓮が自書したものすべてをいう。

真蹟を影印で見られることは、実物がいつでも見せてもらえるものでないだ けに随時随所に披見できるという利点が与えられ、また真蹟研究の門戸が開か れることでもある。写本遺文時代に生存した先師たちが、真蹟との対校に熱情 を傾けた時代を想うと、まことによき時代に遭遇したことを感謝しなければな らない思いがする。

 

真蹟の影印刊行事業は大正の初期にはじまる。はじめは主要遺文を内容とし て刊行されたが、それが口火となって、遺文その他の全真蹟を刊行しようとす る方針で計画されるようになって、いくたの苦難にあい、挫折したこともあっ たが、それをのりこえてこの志願をほぼ達成されたのは昭和二十年代のことで あった。大正時代の事業は日蓮宗の神保弁浄師を中心に行われ、昭和の大成は 神保師の遺業をついで昭和の初めにこれに着手した在俗信者片岡随喜氏の願業 であった。しかし片岡氏の偉業も富士大石寺所蔵分は最終的に収録を許可され ずにおわったが、それから約二十年ののちに、 門戸を固く閉じていた(後記の ような一部の刊行はあったが) 大石寺もまた寺蔵の全真蹟を刊行するにいたっ た。これより先き名古屋に居住した在俗の稲葉与八氏は昭和二十三年に現存真 蹟の刊行を発願してこの事業を進め、現存の大半を刊行されたが、あと約半数 をのこして完成を見ずにおわっている。真蹟の総合的な開版事業は規模と内容 は同じではないが、この四者に代表され、その二者を合せれば全影を見られるま でになった。ほかに一山一寺に所蔵する真蹟の刊行が大正・昭和にかけてなさ れ、また前記の総合刊行の中から部分的に別行開版されているものもある。つ ぎにこれらの刊行経過と内容について概説する。

真蹟を大量にとりまとめた規模の大きいコロタイプ版図版刊行は、大正二年 から翌三年にかけて発行された『日蓮聖人御真蹟』 全二十輯にはじまる。これ 以前には部分的な刊行もなかった。二六・五✕三八〇センチ横綴じの本書は 第一・二輯に立正安国論、最後の第十九・二十輯には観心本尊抄を収録し、そ の間の十六冊に現存真蹟遺文宝庫である中山法華経寺所蔵の主要書と池上本門 寺、玉沢法華寺所蔵の撰時抄・兄弟抄、それに報恩抄の断簡などを併せて全四十七書を内容とする。

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