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八丈実記・近藤富蔵ほか民俗学書段ボール箱6箱買取 八丈実記は数年ぶりに入荷しました。最近見かけなくなっており、昭和50年代にしては流通部数も少なくなっている気がします。昭和39年にも発行されていますので、復刻と思われます。発行人は小林秀雄で、数々の著名人によって推薦されています。最近では7冊揃いは、古書店でも珍しいので、本棚に置いておきたい気がします。ありがとうございました。
小林秀雄氏 近藤富蔵の『八丈実記』については、その中の「鎗丘実録」と赦免になつてからの「紀行」を柳田先生から奨められて読んだことがある。六十年近い流謫の生活を送つた富蔵の感懐に興味を持つてゐたが、今度厖大な『八丈実記』の全巻が刊行されるといふ。翁の業績の立派で合つたことは間違ひないと思ふ。
伊木寿一氏 近藤富蔵の八丈実記は、八丈島・小島・青ヶ島・鳥島・小笠原島等の資料の集大成であり、これに自己の見聞を加えたものであって、過去の八丈島等の研究に不可欠であることは改めていうまでもない。昭和三十二年に実施された、東京都教育委員会の 八丈島青ヶ島文化財総合調査にも、大いに利用されたが写本数部のみであって、閲覧の便が少なかった。今回、八丈実記刊行会によって、自筆本二部を対校して出版されることは、斯界永年の渇を医すものと信ずる。
井伏鱒二氏 約三十年前、私は伊馬春部氏を介して、折口信夫氏から筆録本の「八丈実記」を借覧した。つい面白さのあまり、青ヶ島(八丈島の属島)に関する記録を抜粋してダイジェスト篇を書き、「青ヶ島大概記」と名づけて雑誌に載せた。折口氏は苦笑されたのではないかと思っている。但、「八丈実記」には興味津々たる記録が充ちている。
山本健吉氏 私が近藤富蔵について知ったのは、柳田国男先生の『島の人生』によってであった。先生は富蔵が残した八丈島の流人帳を、他日いかにもして、印刷しておきたい志があると言われている。先生はその志を果されなかったが、今度それが渋沢氏の手で刊行される運びになったことは、私どもの大きな喜びだ。孤島に流され六十年も居ついて、富蔵は二千名にも及ぶという流人の厖大な記録を書いた。一つの限界状況における人間の生態記録の宝庫とも言えよう。私どもはその紙背に眼をさらすことによって、南海孤島の二百年の歴史に奏でられたさまざまの人間の切ない声を、聞き取ることができるはずである。それは今日において、なお強く私どもの肺腑に響くのである。
和歌森太郎氏 数多い八丈島関係の記録文献中でも、近藤富蔵の記述した「八丈実記」三十六巻は圧巻である。彼が八丈に遠島の処刑を蒙ったことは、本人のために不幸であったに違いないが、島にとって、そしてわれわれ日本の民衆生活の来し方を正確にとらえたいと念じている輩にはまことに有難い幸せであった。 彼が巨細を問わず、しかも暖かい眼で八丈の地理、歴史、文化伝承の実態を描きつくしている内容がそのまま活字版として公刊されることは、八丈島を江戸時代の歴史の上に位置づける上で、またそこに滞留した民俗を通して、日本人の古い生活ぶりとその観念とをさぐる上に、珍重すべき資料を学会の共通財産とされるものとして、つくづく有難いことだと思う。
池田弥三郎氏 民俗学は文献知識を拒否しているように受取られているが、とんでもないことである。「八丈実記」などは、柳田・折口両先生とも、実によく読んでおられた。まれびと来訪の重要な資料を、折口先生はこの書から見出しておられる。ただ手に入りにくい本であったのだが、今度刊行されるという。心からその発行が待たれる書物である。
有賀喜左衛門氏 富蔵は近藤重蔵守重の男であり、殺傷事件によって文政十年八丈流罪に処せられた。明治十三年赦免、一旦本土に帰ったが同十三年再び渡島して明治二十年八十三才で死去した。その間結婚して、子孫も得たが、長い流人生活の困苦の中で、八丈島の自然と生活に関するあらゆる事象を綿密に調査して、これらを七十冊の記録に残した。これは父重蔵からうけついだ強烈な実証的精神の所産であった。
あとがき
本書の企画から第一巻刊行に至るまでまる二年を要し、その間予約募集もいたしましたので早々とお申込 みを頂いた方々には申訳ありませんでした。製作過程にはさまざまの困難もありましたが、 さいわい多方面 の方々の理解あるご支援によって推進することができました。左に直接お世話になった方の芳名を列記させ て頂き感謝の意を表したいと存じます。
第一に故渋沢敬三先生ですが、先生の絶大なお力添えがなければ本書の刊行はまだ実現していなかったと 思います。それから本書刊行の企画にご賛同頂き、渋沢先生宅に参集して頂いた岡正雄・大藤時彦・大間知 熊三・桜田勝徳・宮本常一の諸先生には編集上その他で種々ご協力を頂きました。また、都政史料館の築山 静館長と鷹見安二郎・川崎房五郎の両先生には写真撮影から校正まで並々ならぬご面倒ご教示を得ました。 氷竜堂の石原龍一氏には特に、同業の先輩としての温いご支持を頂き、杉村勇造先生、畏友太田朝男・貴 司正造・毛利定晴氏等からは絶えざる鞭達助力を頂きました。
なお校正上には前記諸氏はじめ、特に金山正好・樋口秀雄・原田種治の三氏の御協力を受けました。しか 第一巻の校正上の責任は一切小社にあることを明記しておきます。
さらに本書の刊行に当って進んで推薦の辞をおよせ下さった小林秀雄・伊木寿一 井伏鱒二 山本健吉・ 和歌森太郎 池田弥三郎・有賀喜左衛門の諸先生にも遅延のおわびとお礼を申上げたいと思います。
おわりに難しい印刷を引受け、長い間組版をねかせるという無理をきいて下さった笹気出版印刷の社長・ 皆川常務はじめ現場の方々に心からお礼を申上げておきます。 [芳名は順不同]
緑地社 小林秀雄
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