原色中国本草図鑑・8冊 見沼区より直接お持込いただきました。もとはお勤めの会社の蔵書だったようです。ありがとうございました。
本図鑑は中国伝統医学に用いられる生薬の基源となる多数の薬用植物に少数の薬用動物を加え, およそ5000種について, 精細な色彩図を示し, それを解説 するものである。
5000種には2000年以上にさかのぼる古典本草書の時代から伝統的に用いられ てきたものと, 現代の各地方民間薬,各民族薬, さらにいくらかの欧米に基源 をもつ,いわゆる西洋薬が含まれている。 これは最新最大の原色本草図鑑である。
原著は中国側で企画され, 多くのすぐれた, 画家, 執筆者, 校訂者等によっ て著作されたもので,その最初の出版がこの日本版である。
この日本版は中国の伝統医学と本草学に, 古代から非常に関係の深い日本の 研究者に,これを紹介するため, 中国の学者が原著を日本文に翻訳したもので ある。この労作に深謝し, 協力する次第である。
本図鑑が両国の生薬, 薬用生物研究の橋となり,その交流が両国人民、さら に人類の健康に役立つことを望む。
日本文は多くの翻訳者によって作られたので,全巻を通ずると, 文体に統一 を映くこともあるが, 校訂にあたっては,原文をできるだけ尊重した。
ただ,本文中, 現在の日本では一般に使わない言葉, 現在では理解し難い言 葉,あるいは誤解を招きやすい言葉, および助詞などの誤りについては,書き 換えたところがある。
各図版の表題は現在の中国での生薬名で,これを現在中国で用いられる字によって表わし, それを日本伝統の漢音で読み, 片仮名で表わしてある。