四天王寺会本・法華経義疏・3冊・非売品/四天王寺会本・維摩経義疏・2冊等仏教書 宅配買取

四天王寺会本・法華経義疏・3冊・非売品/四天王寺会本・維摩経義疏・2冊送ってりいただきました。ありがとうございました。

 昭和四十六年、聖德太子の一三五〇年の御忌にあたり、各種記念事業を 行いましたが、 その一環とし て、當山勸學院においては、太子の三経義疏の會本・現代語譯・講義の九部作を發願いたしました。す でに「鯰天特勝鬘経義疏」は昭和四十六年に、また「現代語譯勝鬘經義疏』は昭和五十一年に、「○天王柄 維摩經義疏」乾巻は昭和五十一年に刊行、つづいて今回「醜天村維摩經義疏」坤卷を發刊いたしました。

三經義疏九部作の發願縁由は「●天王待勝鬘經義疏」「あとがき」に詳說いたしましたから、省略いたしま す。「維摩經義疏」の會本作製にあたり、「維摩經」古版本・古寫本並に新刊書を参考し、白井成允博士の十年間に至る公開講義の外に、三經義疏研究の専門學者の共同研究の成果を基本として取りまとめ、ここに「天王将維摩經義疏」二卷が完成した次第であります。目下「靴天村法華經義疏」の研究も、進捗いたしております。

昭和四十六年、聖德太子千三百五十年御忌に當り、當山においては各種記念事業を営むと共に、その一 環として、かねてから研究に着手していた太子御撰述の三經義疏を「四天王寺會本」として刊行すること になりました。爾來、既に「勝鬘經義疏』一巻、『維摩經義疏』二巻、『法華經義疏』上・中二巻を刊行 致しましたが、いままた、それに續いて下卷を世に出す運びとなり、これで漸く「四天王寺會本」の全容 が完結いたしました。

思えばその間多年、研究・編集を重ねるうちに、絶大なる御協力をいただいた白井成允、金戸守の兩委員が、これの完成を見ずして中途で他界されたことは、まことに惜しいことでありました。したがって、『法華經義疏」の編集に關しては、専ら後記諸委員の御協力を煩わす結果となったのであります。 これら三經の義疏が、いずれも日本精神史の劈頭を飾る最古の文獻であり、また聖德太子の思想信仰に觸れ、日本佛教の源流を知る上において決して見通すことのできない貴重な古典であることはいうまでも ありません。幸いこの書が新しい體裁を整え、「四天王寺會本」として六巻揃って世に出、當山所期の目 的を達成できたことは、まことに慶ばしいことであります。

これをもって聖德太子の御遺德を顯彰し、御鴻恩の萬一にも酬い奉ることができればと、心ひそかに念願する次第であります。

なお、「法華經義疏」の會合に用いた「法華經』は、聖德太子の所依の七巻二十七品本に撮りましたので、現在通行の「提婆達多品」と「觀世音菩薩普門品」の偈頌とを缺略していますから、念のため申し添えておきます。
昭和六十年七月二十二日
四天王寺管長 奥田