日本のシダ植物図鑑など植物の本6箱宅配買取。日本のシダ植物図鑑は以前にも紹介いたしましたので、今回は他の書籍を紹介いたします。ありがとうございました。
日本の水草研究の基礎は三木茂博士(1901~1974)によって築かれた。1937年に京都府史蹟名勝調査報告の一 1989年 部として刊行された「山城水草誌」はその集大成である, る。しかし,戦後,三木先生御自身は植物化石(遺体) を明 の研究に移られ,現生の水草からは離れてゆかれた。こ の間,水草のごく一部のグループについては研究が進ん だが,ほとんどの水草については研究の手がつけられ ず,いわば研究の空白期間が訪れる。
今から20年近く前,そのような状況の中でヒルムシロ 属の生態をテーマに水草の研究を始めたのが,私と水草 との関わり始めである。日本各地を調査で回りながら気 付いたことは,日本の水草について,基礎的な分類から 問題が山積しているということだった。図鑑の記載が実 際と合わない。わかっているものと思っていたことがま だ何も調べられていない。私は生態学から入ったが,こ のような現実に直面して分類の仕事も少しずつ続けるこ とになる。
研究を始めたころ、水草を研究していると言うと珍し がられたものである。学会の研究発表もあまり無いた り,全然場違いなところで発表するようにプログラムが 組まれていたこともある。圧倒的少数派の悲哀を感しに ものであった。それが,ここ数年,状況は急速に変化し てきた。すこし大袈裟な言い方かも知れないが,今や水 草はハイライトを浴びる舞台に登場するようになったの である。私と前後して何人かの方が水草の研究を始めて 今日に到っているのだが,当時からは予想もできないと いうのが共通の思いではなかろうか。
これには水辺環境の大切さが再認識され始めたことが 一つの背景にある。逆に言えば,日本の水辺の破壊があ まりにひどかったということでもある。汚れた水,コン クリートで固められた護岸,人の近づけない水辺,…. …。このような現実に対し,人間が親しめる潤いのある 水辺が探究されるようになった。そして,そこにあるべ き水草の役割も評価されてきた。