師魂・満州国立中央師道学院史など歴史書買取 豊島区にて

師魂・満州国立中央師道学院史の紹介です。補遺編もありますので史料的な価値も高いものと思います。ありがとうございました。

師魂刊行に贈る。
此の度中央師道学院史「師魂」の発刊を迎え心から喜んでおります。これが編集に当って各委員諸君が幾多の困難を乗り越え努力精進を重ねられた御苦労に対し心から感謝と敬意を捧げます。

私は元満州国建国大学教授兼任のままで初代福富所長の後をうけて第二代の所長という重責を継いだのですが誠に微力のため何等貢献することもなく在任僅かに二年足らずで建大原田教授に後を 誤って民生部教育司に首席教学官として転出したのです。文教部無立後はその教学司の指導部長に任ぜられて終戦までその職に在りました。従って仕事の関係から国内各地の学校を視察する機会を得て、趣道訓練所、師道学院の卒業生諸君がその使命に徹し、学院で培われた師魂を奮起して国の教育のため献身的な活躍努力しつつある姿に接し強い感激を覚えたものです。この「師魂」はそ の辺の消息を彷彿させてくれる筈です。

「あの頃から四十年近く経過した今日、同窓生の中には古稀に近 づいている人もあるようですが、既に齢八十九を重ねても猶元気で、数学私塾を開いて若者たちと勉学を共にしている私にくらべるとまだ随分と若いのです。いつまでも南嶺魂を失わないで各々独自の活躍をつづけて老後を世のために貢献してほしいと思います。そしてこの「師魂」はその活躍の糧となっていつまでも諸君の活力を燃やし続けせてくれることを信じます。

補巻の刊行に当って、
先に「師魂」を刊行しましたが、その後も貴重な資料をお寄せいただきました。特に一期生の方々 の御努力によって、一期生の殆ど全員について、その消息が判明したことは、本当にありがたいこと でした。

– 一期生入所名簿、一期生卒業名簿、一期生修業証書、二期生入所名簿、三期生入所名簿、乙類一期 生入所名簿、甲四期生と乙一期生の合同国内旅行名簿、康徳一一年四月入学前期一年生(通算四期生) の記名入り写真(渡満途中京城にて写す)、前期卒業証書、語学検定及格証書、外多数の資料と写真 及び手記等々を得たことは、大変大きな収穫でした。

「昭和四九年に南嶺会が発足いたしましたが、その彼に於ける各支部或は各県毎の活動についての連 絡がなかったことは残念に思います。

中等教師の部については、資料もなく情報に欠け、調査が進まなかった現状をおゆるし下さい。

今回得た名簿については、各方面への照会等を推進して、消息の確認につとめましたが、時間的経 過が長く、しかも行政区域の変更等の制約があって、宛先なし、転先不明、該当者なし等が多数あっ たことは、全く残念でなりません。この点については、今後、同期、同郷の方々の御努力に御期待い たします。

「この補巻の刊行をもって、中央師道学院史「師魂」を完結といたします。各位の御協力と御支援を 深く感謝し、、御礼を申し上げ、今後の御発展と御多幸を祈念いたします。 一九八二気五月五日(三九回開学記念日)
長野果南嶺会学院史刊行委員会