今回は曽我量深選集・12冊他仏教書を紹介します。曽我量深選集はほとんど昭和40年代発行のものが多いのですが、今回送っていただいたのは平成発行のものでした。ありがとうございました。
一 本書は顯浄土真實教行證文類六巻(見真大師親驚集)を以て本文とし、その代表的末釋、六要鈔十巻(存覺光玄撰)教行信證大意一巻(一説存覺光玄撰。一説覚如宗昭撰)正信偈大意一巻(港燈大師兼壽撰)講義六巻(宣明撰)講義(從教巻至信巻 深局撰) 講義(從證巻至化巻頓慧撰)略讃十八巻 (道隠撰)徴決十八巻(興隆撰 ) を會合收採せり。
一 本書收採の末釋中、六要勢・教行信證大意・正信偈大意の三部は、存覺・蓮如等諸上人の撰述に係り、真宗末學の必ず依憑すべきところ、宣明師講義・深勵師講義・および頓慧師講義は、真宗大谷派先輩の代表的講録、略試および徴決は真宗本願寺派先哲の代表的撰述にかかり、後學の最も指針とすべきものとす。
一 本書末釋の撰定は、宣明師講義以下の講録は一に大谷派本願寺教學部の指定により、略讃以下の撰述は本願寺派佛教大學の詮衡に基く。その排列の如きは一に著作年代の次第による。敢へて他意あるに非ず。
一 本書の本文は、一に本願寺派本願寺藏版にかかる寶暦十年庚辰春二月、豊後光西寺釋圓爾合會の六要鈔會本にもとづき、これに加うるに寛永十三年刊行本・正保三年刊行本・明暦三年刊行本・寛文十三年刊行本・天保十四年刊行本・および明治四十五年高田派専修寺開版の諸本に依りて一一嚴密の校訂を施し、左訓・句逗・訓點等一に原著の體を存して敢えて編者の私意を加えず。その字句の不同の如き、縦い具略の相違といへども一一校異をもってこれを示せり。
一 本書は顯淨土眞實教行證文類の本文を三號活字とし。六要鈔以下の末釋を五號活字とす。
一 本書の中、本文の段落は一に六要鈔の指南に基き、また多く圓爾師分會の會本による。末釋の分科もまたこれに準ず。