日本剣道史・10冊 剣道書・剣術書買取

日本剣道史・10冊　剣道書買取事例。日本剣道史と言いましても、山田次朗吉氏の日本剣道史ではありません。すべて非売品でしかも発行年度が比較的古いものですので、まとめて手にいれるのは現在では難しいかもしれません。

今まで自分が考えていた事が誤りであったり、錯覚していた事など後で気がつき、一人で赤面することがあり、 か八号しか出していない日本剣道史ですが、砂を噛むような後味の悪さを覚えます。しかしこれは其の時点々 々に於て一所懸命に練めたもので、長期にわたる編纂物である限り免るべくもない成長過程としてご寛恕を請う次第です。

今回も亦宮本武蔵という問題点の多い人物について書きますので、又もや混乱を起してはと迷っていましたが、 混乱を起してこそ進歩があるのだから是非発表されたいとの青柳武明氏の激励を得て、重い筆を執りました。 「私は浅山一伝流の浅山一伝系について、日本剣道史六号より八号まで、その探求に勉めましたが、其後ますま す疑問が生ずるばかりで、果ては同一人と思っていた浅山一伝重行と浅山一伝一存の歿年が相違することが判明 しては、別人の見方が強くなり、遂に迷路に踏み込んでしまいました。いづれ又経過報告の意味で一伝斎研究号 として発表したく思っております。

幻の一伝斎に反し、宮本武蔵は有名過ぎて誰しもが自分の頭の中で、その人物像を捉えており、今更武蔵伝でもないと思われるかも知れませんが、実は武蔵程異説百出の人物も珍しく、武道史研究の大家綿谷雪氏は、宮本武蔵政名と宮本武蔵玄信は別人であると主張されており、その出身地も美作国 英田郡讀=村大字宮本(現在同郡大原町宮本)、屋敷址に明治四十四年高さ約二丈、棹八尺、文学博士三島毅氏 碑銘、題字元熊本藩主細川護成氏の「宮本武蔵生誕地」と立派な記念碑まで建っているのに、どういうわけか武蔵自身は五輪書に、はっきり生国播磨の武士と書いて問題をなげかけたり、従って其の父にしても、平田武仁少 補正家(新免姓、宮本無二斎と同人という)、宮本無二之助藤原一真(或信綱、これも亦宮本無二斎、平田武仁と同人という)、田原甚右衛門家貞、岡本新右衛門(堀剣道史では岡本新左衛門)と様々である。