埼玉県上尾市にて道明の組紐等美術書買取。
今回紹介させていただくのは組みひもの本になります。組みひもの本はおそらくですが、種類も比較的少なく、希少性が高い部類に入ります。また海外でも比較的需要があり、時々問い合わせをいただくことがあります。実際に組みひもをつくっている方からだと思います。以前この本にまったく知識がなかった時、漢字の読み方が間違っていると外人さんから注意されたことがありました(笑)。ご指摘ありがとうございました。
同じタイトルで(道明の組紐)公式サイトで現在販売されているのはデザインを中心に書かれているもので、今回紹介させていただいたものは、それとは異なり組紐の作り方の本になります。図版も豊富で実際に組みひもを製作している方には依然ためになる本だと思われます。
手工芸入門・道明の組紐・丸台・四つ打ち台/手工芸入門・伝統の組紐・道明の高台・綾竹台・附・羽織紐・段染め
日本の組紐は美しく、そしてだれにでも組めます。遠い飛鳥の昔から今まで、時代身分に関係なく、組みつづけられてきました。あるときは、王朝貴族の風俗をより豪華なもの にするために、あるときは、武士たちの命と夢をかけた戦に勝利をもたらすために、またあるときは、庶民たちが心と心のふれ合いを求めて、一生懸命紐を組んだのです。そんなに自由でおおらかですばらしいはずの組紐が、どうして一般の人々から遠ざかったのでしょう。それは組紐屋たちが、規則格式約束事、秘法家伝などといって、組紐作り
の門を閉ざしてしまったからなのです。
私も組紐を研究し業とする者の一人ですが、組紐の歴史を顧みて、本来の組紐のあり方に従い、だれにでも楽しめる組紐の技法を、皆さまにお伝えせねばと思いました。
日本には無数といえるほどの糸組法があり、私がそれをすべて知っているわけではあり ません。ただ三百数十年もの長い間、人々に親しまれ愛用されてきた道明の糸組法は、今 でもきっとお役に立つだろうと思い、この「道明の組紐」を発表することにいたしました。 「この本の制作にあたって、主婦の友社出版局と写真部のかたがたにご協力をいただきま した。厚く御礼申し上げます。
昭和五十年四月
山岡一晴
はじめに
先に組紐の入門書として、「道明の組紐―丸台・四つ打ち台」 を発行いたしましたが、そ の後もっと多くの組み方知識を、という皆様のご要望が多く、ここに組紐の続編として、 高台・綾竹台の組み方、それに羽織紐、たこ足などの組み方を添えて皆様にお届いたします。
「現在北海道から九州まで、組紐の教室も多くなり、それぞれ多くの人が組紐を教え、習 っておられます。組紐は日本人にとって、よほど性に合っているものなのでしょう。組紐 を研究し、業としている私にとって、こんなうれしいことはありません。ただ私が心配なのは、こんなすばらしい組紐の歴史が、組紐の成り立ちが、正しく伝えられているだろうかということなのです。そして、できれば教える人も、習う人も、組紐の正しい流れを知 って、さらに深く組紐を理解していただきたいと思うのです。
組紐を研究し、業とする一人として、私の積み重ねた研究が、組紐全体の流れをとらえるための一助ともなればと思い、この本を書きました。