埼玉県さいたま市桜区で仏教書等段ボール3箱
以前も紹介させていただきましたが、今回も中村元氏の仏教語大事典等入荷いたしました。いまだに需要はあるのですが、出回りも多くお値段はつきにくいというある意味微妙な本です。ですが、昭和50年に発行の天金本で毎日出版文化特別賞受賞も受賞したロングセラーになります。
仏教語はなかなか難しくわかりにくいという敷きを耳にする。専門家でもなかなかわからないので、 だからこそ研究が必要とされるわけである。
仏教語を日本における万人共通のことばで表現できないものであろうか、―この疑問に答えるため に、わたくしは第二次世界大戦直後に、研究室の若い学徒諸君の協力を得て、平安時代から江戸時代末期に至るまでの日本の典籍において、仏教語を平明に表現しようとした先人の努力のあとを集録・ 検討してみた。その成果は、昭和二十三年に騰写印刷のかたちで「佛教語邦譯辞典」として刊行し、 いまこの「仏教語大辞典」のうちに解釈例として収録されている。
続いて、現代の問題として、われわれが仏教語を理解し、平明に表現するためには、右の成果を発 展させて新たな辞典を編纂する必要を感じ、ただちにその仕事に取りかかった。そして、昭和四十二年には、一応原稿をまとめたが、不慮の事件により、原稿が紛失・消滅してしまった。
その後、再編集を決意し、仕事に取りかかったが、途中で学園紛争その他の事件に出会って、なか なか進まず、ようやく八年目に完成し刊行されることになった。最初に着手したときから数えると、 三十年たって日の目を見たのであるから、著者として深き感懐なきを得ない。