今回は東京都新宿区にて日本書論集成・和刻本書論集成他書道関係の本・美術関係の本など6箱になります。和刻本書画集成は揃っていたのですが、日本書論集成は1巻のみかけていました。慌てていましたので完全に見落としていました(笑)。セットものであれば端本よりは当然買取価格が高くなります。
昔から、我々の前輩たちは、中国の書画・篆刻を中心とする文墨趣味の受容に関しては、大へんな熱情 を傾けたもので、可なり広い範囲にわたって、これに句読をほどこしたり、これを刊刻したりする努力を 惜しまなかったものですが、それらの刊本のなかには、既に年を経て稀少の存在となったものが少なくないために、今日、その全貌をとらえようとするためには甚だ多くの困難がともないます。先般汲古書院をして和刻本書画集成,全十二巻を印行せしめたのは、この見地によるものです。
同時に考えられたことは、こうした前輩たち自身が、これら文墨の趣味を、どんな思考と感覚で受けとり、どんな形で再表現したかという問題ですが、この場合にも、前と同様、そうした著作を簡単に手に入れ難くなっている現状をなげかないではいられません。これを引き続いて集成して 新たに世に送ることは我々にとってはやはり今日の急務といわざるを得ないようです。ここに,日本書論集成、全五巻の新印の構想が生まれました。