埼玉県さいたま市西区にて白井晟一全集など建築書
白井晟一全集・6冊ですが、これだけで段ボール2箱ですので今回は物量が大量となりました。幸い地元のさいたま市でかつ2階や3階ではなく1階でしたので搬出もスムーズにすみました。ありがとうございました。
本書には、白井晟一のエッセイと聞書、いわゆる教材コレクションを軸に白井晟一の眼がえらびだした器物、家具、 美術品等の図版と、書、装幀作品の図版をおさめる。
エッセイはすべてを収録することを心掛けたが、石水院についてふれたある新聞に書いたもの、谷川俊太郎との対談 でふれられた詩もしくは詩人について書かれたものなど、今回その所在を確かめられなかったものもいくつかあることをお断りしなければならない。
白井晟一は、エッセイが他の出版物に再録されるとき、その都度手を加えている。筑摩版「無窓」を決定稿と見るべ きところだが、本書に収録するテキストは、その資料性に鑑み、原則として初出誌にしたがった。「原爆堂について」 のように、初出と再出のテキストが大きくちがうような場合、その双方を収録することとした。但し、「骨董について」 「古くなった言葉」「日本にいた私の知らないブルーノ・タウトについて」「高田博厚」「画蟲齋回顧」の五本は『無窓」 版を、また「豆腐入門」は手稿本を底本とした。
白井晟一の綴字法は、「豆腐入門」の手稿をみるとほぼそのころまで歴史的仮名遣いであり、遺稿の「すきな色」「ア ントニオ・ガウディ護」を見ても、 は行四段活用の語などに歴史的仮名遣いを残す混合仮名遣いであるが、本書では、 仮名遣いに関しては、すべて底本どおりである。その間の仮名遣いの推移についてはただ推測するほかないからであ る。但し、漢字に関しては正字に改めたものがある。初出テキストのあるものは正字、あるものは略字、またあるも のはその混合であって、文字遣いが主として出版事情の都合と見られること、白井の特殊な造語や文字遣いの意味を 推し量るには、むしろ正字を手掛かりにすべきことが、その理由である。
編註は、テキストの異動に関するものほか、カタカナ表記の語に原語の綴字を付すことにとどめた。わずらわしい註 はかえってエッセイの味を損なうことになると考えたからである。
図版に収録した器物、調度、美術品等は、そのすべてが教材コレクションというわけではない。あるものはその作品 中の調度であり、知人のコレクション中のものであり、各地の美術舘収蔵品のなかで、白井が特に関心をよせたものである。