読売報道写真集等お譲りいただきました。

読売報道写真集、写真集といっても台紙に写真が添付されています。戦時中の写真ニュースになります。

亜欧記録大飛行　神風画報 こちらは正確には軍事関係の書籍とは異なりますが、昭和12年発行の神風画報。

写真集学徒援農・大地への献身・20万人の若者達の写真記録

はじめに―学徒援農とは―

太平洋戦争の戦時下、学徒援農、 と呼ばれる教育・農政・食糧管理上の国策が推進され、農業学校生を中心に、全国の多くの若者たちが援農隊”として北海道 各地の農村へ派遣され、農作業等の勤労支援活動をおこなった。

本書は、当時学生で援農”を実地に体験された方々から寄せられた写真、スケッチ、手記等々の貴重な記録類をまとめ、戦時下の青少年たちが味わった経験のありようを幾らかなりと浮き彫りにし、広く今日の読者に伝えようとするものである。

改めて問う。学徒援農”とは何か?周知のように、昭和十二(一九三七)年の日中戦争開始以来、その翌年四月には「国家総動員法」が公布され、日本の社会全体に総力戦体制,が敷かれていった。

その一環として、修学期の青少年・児童たちも各種の労働現場へ動員され、勤労への集団的参加が盛んにおこなわれた。そうしたなかで、とくに全国から派遣された学徒たちが北海道の農業地帯へ一定期間住み込み滞在し、農繁期の諸労働に従事した事例を指し、学徒援農”と呼ぶ。

北海道農業への労働支援が要請された背景には、本州以南の内地農業と比較して耕地面積などの規模が大きい当地では、戦時下に深刻な労力不足の問題が生じていた、という点がまず挙げられる。石原治良・著『農事訓練を隊組織による食糧増産』(昭和二十四年刊)によれば、北海道各地の農村青年の応召と軍需産業への労力吸収の為、昭和十二年七月から同十五年二月に至るまでに当地 農業従事者数は約十六%減少したと記録されている。この労力不足を解消する方策として、農村への大規模な学徒動員が図られることになった。

また、戦争状況が進むなかで国策として食糧増産を推進する必要性が高まっていたことと、もう一つの重大な背景として北の防衛上若き戦力を必要とし軍事教練なども確認される。本州以南とは異なる大型生産方式を培ってきた北海道農業のあり方が、非常時における食糧国家管理の上で重要視され、全国の農業学校生に「北の大地」の農法を体験学習させて、食糧増産への方途を拓くことが期待されたのである。