明治・大正・昭和・東京1万分1地形図集等古地図買取事例。古地図といっても、復刻版になります。巨大な地図ですね。
本書『東京1万分1地形図集成』は、首都東京の明治・大正・昭和の3時期における自然地形の諸相とその変貌、ならびにその 近代都市としての形成・発展の態様や変遷を、個別にまたは比較照応および検証しうることを主眼として編成し、主として人文・ 自然両科学諸部門における調査研究、教育に資することを目的とした史料集成である。
江戸=東京については、周知のごとく明治初年の廃藩置県、改府置県以降郡区町村制の施行等一連の累次にわたる全国的な地 方統轄体制の改編廃置統合の結果、もはや一般資料・文献等での現旧の照合確認は至難事となっている。わけても戦後における 市町村統合施策の推進はその事態を一層困難にしている。このような中で現在、その最も表徴的地域である首都圏主要部に関す る明治期以降、総じて戦前期解明のための記録・文書ならびに各種論文・報告書等の調査研究にあたり前記諸事象ないし事物等 の遡及検索上、本書が第一級の依拠史料として活用されることを確信するものである。
さらに本書では、明治16~17年、明治42年、大正14年、昭和12年測図のものを収録することにより、それぞれ1幕末から明治 初期の2近代国家行政制度確立後の3関東大震災直後の4第二次世界大戦前の、各時代において大きく変貌した東京の様相 を把握できるものとし、歴史・地理の教育ならびに諸分野における地域研究と理解においても十分な活用がしうるべく編纂した。
本書が明治・大正・昭和(戦前)と現代をつなぐ上での基本史料として、全ての学究の場と教育の場、広く社会の場に備えら れ利用されることを願いここに刊行するものである。
1万分1地形図は,わが国の地形図類の歴史 の上では,あまり表面に出ることはなかった. 国土の基本的な地形図の縮尺が大きいことは望 ましいことだが,その作成についやす期日と費 用が著しく大きくなることは許されない. ヨー ロッパ各国の基本図が5万分1ないし2万5千 分1程度の縮尺によって作成されていることは その辺のことから頷けよう. 「わが国においても基本図は,当初2万分1の 縮尺で開始されるが,完成期日と費用の点から 後年5万分1に変更された.近年,基本図が2 万5千分1になり,ほぼ全国が完成したのは、 明治初年の2万分1への回帰と考えられなくは ない。基本図を2万分1と決した小菅智淵2) は やはり傑出した人物としてよかろう.
地籍図・都市計画用の大縮尺地形図は,先進 諸国のものをみると500分1から5000分1程度 まである。わが国でも一般計画用として国土基 本図が2500分1.5000分1で主要な都市域・平 野域が測量されているのは、ヨーロッパ先進国 に十分比肩できる、都市の一般地形図として、1万分1は,近年 英国等でも見直され,刊行が相次いでいるわ が国でも明治の中後期から一般地形図として測 図刊行されているのは、ヨーロッパに範をとっ たとはいえ,地図作成史上極めて先見性の高い ものとして評価されてよかろう。
本小文は,わが国の1万分1地形図全般の概要を記すものである。