宅配買取 支那事変写真帖・特派員決死撮影他軍事書籍 東京都品川区より

支那事変写真帖・特派員決死撮影他軍事書籍入荷いたしました。昭和13年と昭和6年の写真帖になります。この時期のものの多くは海外に流出してまい、以前に比べれば流通も減っているような気がします。ありがとうございました。

今次支那事処の勃発と共に、皇軍一度起つや正に神業、忽ち北、中、南支に渉る敵抗日據點を撃破覆滅して戦火嚇々、遂に抗日國民政權に代る明朗新興政権の 自然發生を見るに至りたるが、其の間僅に半年、東亞の歴史を回轉せしめた此の 偉業の蔭に忠勇武烈なる我が皇軍將兵が生死一如、猛暑酷寒に身を曝しつく、天 瞼を越え、泥濘を踏み、又荒天の海空に挑んで屈せず、或は十字砲火を潜りて肉 彈以て堅鐵塞を突破せる効苦辛酸と其の崇高なる盡忠報國の皇軍精神とは、蕭然、襟を正さしむるものがある。

事變發生するや、我が社は直ちに全通信機構の携大強化を圖ると共に現地報道 の中裾たる北支並びに南支に特派員を派遣すること前後八十名、之に十五名の 出先支局員を合流協力せしめて、皇軍力闘奮戰の戰況報道に完壁を期した。然も、 我が社特派員は常に彈丸雨飛の第一線に從軍、敢然身を挺して塹壕戦に、渡河戰 に、市街戰に、山岳戦に、攻撃戦に、はた又敵前上陸戦に或は空中戦に、有りと 凡ゆる猛攻激闘の戰火中に投じたのである。盡忠皇軍の征く處「一死報國」あれ ば、我には「一死報道」の勇猛心があるのである。故あるかな、斯くて我が社特派員陣の勇猛決死の活躍は第一線に死闘する皇軍各部隊を驚嘆せしめ、「最前線に出るのは何時も讀賣の記者許りだ」との折紙を付けさせ、又銃後に於ては「讀 気に依つて初めて實戰の眞況が分る」と定評を博するに至つた。 此の間に於て、不幸、我が社渡邊記者、吉島聯絡員の兩名は敵弾道下の第一線 に壮烈なる戰死を遂げて報道戰線の華と散り、更に三特派員、一連絡員の四名又敵 彈を受けて負傷したる等、之等寧き犠牲こそ、とりもなはさず我が無敵特派員の 第一線に於ける華々しき活躍を雄辯に物語るものでなくて何であらう。

本写真帖は、実に、我が社特派員が斯る旺盛なる報道精神のもと、勇躍死線を突破して撮影したる精粋の結晶にして、收むる処四十八葉、何れも砲煙天地を環 めて凄絶無比、全く無敵皇軍の真面目を傳へて餘す處なきものである。本輯こそ 絶対他に其の比を見ざる戦争写真の決定版として永く後世に伝はるべき聖戰記念 の逸品と信じ、茲に改めて清望を仰ぐ次第である。
昭 和 十三年 五月
讀賣新聞社

満州事変写真帖　昭和6年